犯罪・刑事事件の解決事例
#建物明け渡し・立ち退き

建物収去後土地転売目的の不動産業者に対する立退料請求

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橋元 紀子 弁護士が解決
所属事務所のぐち法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

70代 男性

相談前の状況

持病の後遺症の残る23区在住の高齢男性が不動産会社から、自宅マンション周辺の土地一帯に新たなマンションを建築することを理由に自宅からの立退きを要求された事案【前提条件】・自宅マンション→角地にあり、マンション建築には立地条件の良い場所・本人は持病の後遺症があり生活保護受給中。自宅近所のクリニックに月一回タクシー通院中だった。・業者はマンションの老朽化を主張していたが、登記簿上、鉄筋マンションであり建替えを要するほどの築年数ではなかった。建物収去後の土地転売目的と判明・業者の主張は、生活保護受給者なのだから、高額の立退料が入ると生活保護はストップされる。後に再開するのも大変だから、数十万で合意したいとの申入れ。・本人は、例え一時的かつ転居を要しても、生活保護ではなく普通にお金を使える生活を強く希望。受領した立退料を費消したら、その時にまた生活保護を申請予定。

解決への流れ

・上記意思を実現すべく業者との示談交渉開始。→結果、当該物件の立退料相場の数倍の金額で和解。・まず、転居先を当該業者に探させることを要求。条件として、現在の自宅に遜色ない条件の物件であること(広さや築年数、構造等)・立退(建物退去)要求について「正当事由」のないケースであり、裁判になれば建物退去土地明渡請求は棄却されるであろうことを前提に、相場より高額の立退料を要求した。・業者は、裁判を回避したい意向を当初から示しており、立退きの正当事由のないことも理解していた。・転居先は従前の自宅ほど条件の良い物件ではなかったが、通院中のクリニックにも徒歩圏内だったため、本人は渋々受け入れ、引越費用も出してもらい転居した。・業者の目的が土地の転売という営利目的であったため、担当者は会社の説得に難渋していたようであったが、短期間でこちらの要求とおりの和解に至った。

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橋元 紀子 弁護士からのコメント

生活保護受給者は確かに一定の金銭を受領すれば申告義務があり、基準額を超えれば受給が停止されることになるため、当初はそれを逆手に取った提案をされたが、依頼者の意思をきちんと確認し不安を払拭して通常通りの交渉をしたことが良い結果に繋がった。逆に、相手は裁判の回避を強く望んでいたため、比較的高額な立退料と引越費用で合意でき、喜んでいただけた。